2011年8月16日火曜日

生物学的文明論

「ゾウの時間 ネズミの時間」で有名な本川達雄氏の最近の著書を読んでみました.

本川達雄(2011)生物学的文明論.新潮新書.248p.

ハツカネズミの寿命は2〜3年.インドゾウの寿命は70年近く生きる.でも一生に心臓が打つ数は,どちらも同じ15億回.

時間は体重の1/4乗に比例する.体重当たりのエネルギー消費量も体重の1/4乗に反比例.時間もエネルギーもどちらも同じ1/4乗.だから,時間とエネルギー消費量とは反比例する.

心臓一拍の間に使用するエネルギーはゾウもネズミも2ジュール.ゾウは一回のドキンに3秒かかる.ネズミはたったの0.1秒.ゾウもネズミも一生の間に使うエネルギーは30億ジュール.

時間と体重当たりのエネルギー消費量とは反比例.「時間分の一」,つまり「時間の進む速さ」がエネルギー消費量と比例する.結局動物の体の中では,エネルギーを使えば使うほど時間は速く進んでいく.